こんにちは、松村です。
雨だというのにご近所さんがカッパを着て庭の草むしりをしています。
土が柔らかくなって草を抜きやすくなるから?それとも単に雨降りの中で草むしりをするのが好きだから?
聞いてみたい。聞かないけどw
さて本日は「不動産屋を開業してみた。経験者が語る本音、正解?それとも失敗?」というテーマでお送り致します。
これから、不動産屋として開業することを検討している方にとって、少し先に不動産屋として実際に開業している人が、現時点で自身の開業についてどう感じているのかというのは大いに気になるところだと思うんですよね。
たとえば開業して正解だったと感じているのか、それとも失敗だったと感じているのか、とか気になりますよね。
実際、私自身が開業を検討していた時も、先に開業されていた諸先輩方のところをまわって、開業後の色んな話を聞かせてもらったりしていましたし。
そこで、そういったニーズにお応えするべく、不動産屋として開業されて間もない方に開業したことについての感想などをインタビューさせて頂き、このサイトで紹介してみようと考えたわけです。
ご協力いただいたのは昨年の6月に不動産屋さんとして開業されたばかりの当方のクライアントKさん。
つまり、これから開業しようとしている方にしてみれば、自分のほんの少し前を走っている方ということになりますので、参考になる話も多いかと思います。
興味のある方は是非、最後までご覧になって下さい。
不動産屋開業についてのインタビュー
松:じゃあ、はじめますね。本日はよろしくお願い致します。
Kさん:こちらこそ、よろしくお願い致します。
松:なんか、かたいですね。あっ、ちゃんと喋ろうとか思わなくても大丈夫ですよ。録音した音声をそのまま、サイトにアップするわけではないので。
いつも通り話してくださいね。
Kさん:そうですよね。なんか、ちょっと、緊張しちゃって。
松:リラックスして下さい(笑)
では、まず、開業の経緯からお聞かせ頂けますか。
なぜ、不動産屋として開業しようと思われたのですか?
Kさん:開業の理由みたいなことですよね。そんなに深い理由はないかなあ。
まあ、自分で何かやってみたいという気持ちが以前からあったのと、宅建は持っていたので、じゃあ、不動産屋なら開業できるのかなあと。
そんな感じです。
松:軽い(笑)
Kさん:いや、きっかけはそんな感じですけど、真剣に開業することを考え出してからはかなり悩みましたよ。
不動産屋での勤務経験もなかったので、開業できたとしても、業務がまともにできるのかなあという不安はありましたし。
ただ、先生の本に実務経験はなくてもなんとかなるみたいなことが書いてあったので、思い切ることにしました。
松:でも実際、実務経験なくてもなんとかなったでしょ。
Kさん:まあ、たしかになんとかは、なっています。
まだ、時々、お客さんに質問されてドキッとしてしまうことはありますが、大体のことは調べればわかりますしね。
松:ね。そんなもんなんです。
では、次に、現在の業務状況をお聞かせ下さい。
開業から10か月ほど経過しているわけですが、これまで何件、成約できていますか?
Kさん:えっと6件です。
松:開業後、間もないということを考えれば、まずまずの滑り出しかと思いますが、いかがでしょうか。
Kさん:どうでしょう。紹介2件あっての6件ですから微妙な感じもします。
松:いやいや紹介だって立派な集客方法ですよ。
確実に成約できるわけですしね。
紹介以外の4件はネットからの集客ですか?
Kさん:そうです。
松:何、経由のお客さんですか?
Kさん:えっと2件がSUUMO、2件がメルマガからだったと思います。
うちはまだGoogle広告をやれていないので、元をたどれば全部、SUUMOからのお客さんということになりますが。
松:メルマガやっておいて良かったですね。
Kさん:ですね。やってなかったら2件は取り損ねてたと思います。
売上が190万ぐらい減ることになりますから痛いですよね。
ダメ出しに耐えてよかったです。(笑)
松:では次に不動産屋として実際に開業してみて感じていることを教えて下さい。
開業してみて良かったと感じている点とか逆に失敗したなあと感じている点があれば、それぞれ教えて下さい。
Kさん:え~っ、なんだろう。難しい。
何もないわけじゃないと思うんですが、出てこない。
え~っ、なんだろう・・・
松:あまり難しく考えないで下さいね。
なければないで構いませんし。
(やや間があって)
Kさん:一番、良かったのは会社に行くストレスがなくなったことかなあ。
と言っても別にもともと会社も嫌いじゃなかったんですけどね。
上司とかもすごくいい人だったし。
でも、もう一度、サラリーマンをするというのは、もう無理かも。
とにかく今はそれぐらいストレスがないってことですかね。
松:でも不動産の仕事ってお客さんに遣う気は半端じゃないでしょ。
そこはあまり気にならない?
Kさん:うーん、そこはあまり気にならないですかね。
少なくとも今のところはお客さんと話をするのが結構、楽しいですし。
それにお客さんに気を遣うのは、どんな仕事をやっていても当たり前のことのような気がしますしね。
松:なるほど、そもそも、そういう風に考えられること自体、不動産屋さん向きなんですよ、きっと。
Kさん:なんですかね。自分ではわからないですけど。
松:ほかに何か良かったこと、ありますか?
Kさん:えー、他ですか。どうだろう・・・
通勤時間が短くなったのは助かってますね。
事務所が自宅から10分ぐらいのところなので通勤時間は5分の1ぐらいに減ってます。
あと時間の融通はきかせやすくなりました。
なんなら、どこかに出かけるために明日は休みにするみたいなことも仕事の予定さえなければ普通にできますしね。
松:不動産屋に限った話ではないですが、自分でビジネスをするようになると時間がある程度、自由になるのは間違いないですよね。
他には何かないですか?たとえば物事の見方が変わったとか、自分に自信が持てるようになったとか。
Kさん:ああ、そう言えば自分に自信が持てるというところまでは、まだ、行っていないですけど、なんていうのかな、自分の足で立っているんだなあっていう感覚はあります。
以前はやはり会社に依存するような気持ちがあったんですけど、自分でビジネスを始めてしまうと、もう、何に依存することもできないですからね。
仕方なしに自分の足で立ってみたら、意外と立てる。
で、少し自分に対する評価が上がった感じがします。
松:なるほど、まだ、自信があるとまではいかなけけど、それを得るまでの途中段階にいるという感じですかね。
Kさん:はい、そんな感じかと思います。
松:開業して良かった点は、大体、わかりました。
では、逆に開業してここは失敗だったなあと感じるようなことは何かありますか?
Kさん:失敗とまでは思わないですけど、ここは大変だなあと思うのは、常に仕事のことが頭の片隅にある点ですかね。
サラリーマン時代はトラブルでも抱えていない限り、オフの時に仕事のことを考えるようなことはまずなかったのですが、今はオフの時でもしょっちゅう、仕事のことが頭をよぎります。
一人社長と言っても経営者のはしくれではありますので仕方のないことだとは思いますが、時々、しんどさは感じます。
松:まあ、おっしゃるとおり経営者になった以上オンオフの切り替えが難しくなるというのは仕方のないことかもしれませんね。
Kさん:先日なんて夢の中でまでネット集客のことを考えていて目が覚めたときに笑いました。で目が覚めたあと、つい続きを考えて眠れなくなってしまったり(笑)
松:なんか、わかります。私も近い経験があるかも。
ほかに開業して良くなかったこと、何かありますか?
Kさん:あとは収入が不安定なところですかね。
まあ、開業して1年も経っていないので余計かもしれませんが。
私の場合、このままの感じでいくと開業の前後で年収自体は変わらないことになりそうなのですが、月ごとの収入の波が大きいです。
なにしろ10ヶ月中6ヶ月は収入ゼロでしたから。
松:それは売買仲介メインで不動産屋をやる以上、避けられないことでしょうね。
もちろん2年目以降は、もう少し収入ゼロの月が減っていきはするでしょうけど。
事業規模が大きくならないかぎり、サラリーマンのように毎月、同じだけの収入があるということには、なかなか、ならないだろうと思います。
Kさん:まあ、売上が立った月に、しっかりとプールすれば結局、同じことなのはわかっているのですが、それでもなお不安は感じてしまうんですよね。
売上が増えれば不安は軽くなると思うので売上を増やせるよう頑張ります。
松:ですね。さらにほかに良くなかったことがあれば。
Kさん:仕事に直接、関係のないことでもいいですか?
松:どうぞ。何かあるんですか?
Kさん:嫁さんが、すごくイライラしているのを感じます。
たぶん、私が独立したことで、ものすごく不安になっているんじゃないでしょうか。
それなりにうまくいってるから心配しなくていいと言っているのですが、どうにも不安に感じるようです。
松:奥さんがイライラしたり不安がったりするというのは独立開業時あるあるですね。
Kさん:そうなんですね。
でもうちの嫁さんのヒステリックさはちょっと酷いですよ。
仕事ですごく疲れてるときに露骨にイライラしている感じを出されるとさすがにキツい時があります。
以前はあんな感じにふるまうことはなかったんですけどね。
松:まあ、そこはしばらく耐えるしかないでしょうね。
奥さんも今は不安を感じる気持ちが強くても、その状態がずっと続けば、いつかは慣れてくるでしょうし。
Kさんができることとしては、奥さんの不安を一日でも早く軽くしてあげられるようにガンガン稼いでいくことしかないんじゃないでしょうか。
Kさん:耐えるしかないんですね。
まあ、好きなようにさせてもらっているわけですから、できるかぎり我慢するようにします。
松:はい、我慢して下さい。
愚痴ぐらいは私がいくらでも聞きますので(笑)
では次にKさんから、これから不動産屋を開業しようとしている方に向けて、開業前の準備としてこういうことをやっておいた方がいいよというようなアドバイスがあればお願いします。
Kさん:開業前の準備としてやっておいた方がいいことですか?
うーん、色々ありますけどね。
松:色々あるのなら、なるべく全部、教えて下さい。
Kさん:まずは紹介をお願いしてまわることですかね。
これは先生の指示があってやったことですけど、そのおかげで既に2件も紹介案件をやれてますから、やったかいがあったなあと思っています。
ちょっと予想外の人がすごくいいお客さんを紹介してくれたりで、ありがたかったです。
あと、集客の戦略を作って、その戦略に沿って集客のためのツールを作りこんでいくこととか。
あっ、ごめんなさい、順番としてはこっちの話の方が先なのかな。
松:いえいえ、思いつくままランダムに話して頂いたら結構ですよ。
ちょっと難しい話かと思いますので、もう少し詳しく説明してもらってもいいですか。
Kさん:了解です。えっとですね、ターゲットと提供サービスを絞って、あと他社と比べた場合の自社の強みみたいなものを明確に定めて、ホームページ等のお客さんが目にするすべての媒体で、それがちゃんと伝わるような努力をしました。
これで伝わりますかね?
松:ええ、大体、大丈夫だと思います。
要するに自社が設定したターゲットに該当するような見込み客に選んでもらいやすくするために競合他社との違いを明確にして、それを伝える努力をしたということですね。
※補足 開業前にやっていいのは、あくまで集客ツールの準備作業です。開業前にホームページを公開したり、チラシやパンフレットの配布をしたりすると宅建業の免許を受けられなくなる可能性がありますので十分、注意して下さい。
Kさん:はい、そういうことです。
松:ほかに何かやっておいた方がよいことはありますか?
Kさん:えっと、私自身はちゃんとできずに後悔しているようなことでもいいですか?
松:ええ、もちろん、結構です。
Kさん:じゃあパソコンの勉強と営業の勉強ですかね。
松:あれ?Kさんって、もともと結構、パソコン、詳しいですよね。
もっと、勉強しておいた方が良かったということでしょうか。
Kさん:いや、パソコンの通常の操作みたいなことは前職での経験もあって、まあ、できる方だと思うんですけど、ホームページに関する知識が全然なくて、ちょっとした画像を載せたりするのも四苦八苦しているんですよ。
松:ああ、そういうことですか。でもまあそこは大体みんな同じだと思いますよ。ちょっと触っているうちにすぐに慣れると思いますし。
Kさん:ですかね。いずれにしてもちょっとしたHTMLやCSSの修正ぐらいは自力でできるようにと思って勉強中です。
身につくかどうかはわかりませんが。
松:あと営業の勉強というのは?営業経験、全くなかったですっけ?
Kさん:いえ、一応はあるんですけど、完全な御用聞き営業で注文を聞いてまわるだけみたいな仕事だったんです。
だから実質的には営業経験ないようなものですよね。
そこで営業の本を買ってみたりしたのですが、とうとう、これと思えるものには出会えずじまいです。
松:「内向型のための営業の教科書」は読まれました?
Kさん:メルマガで薦められてたやつですよね。
買ったんですけど、バタバタしててまだ全部は読めてないです。
最初の50ページぐらいは読んだかな。
松:あれを読まれて、内容をしっかり実践できるようにご自身なりにトレーニングされたら、かなり自信はつくと思いますよ。
Kさん:そうですか、ちょっと、やってみます。
松:その上で、もう少し勉強してみたいなと思われたらおっしゃってください。
さらに読んだ方がいい本とか紹介しますし、なんだったら、コンサルの中でロープレみたいなこともできますので。
Kさん:了解致しました。
まずは、ご紹介いただいている本を読んでみます。
また、相談させて頂くことにはなると思いますが。
松:はい、不動産屋をやっていく上ではやはり大事なことなんで、是非とも聞いて下さい。
Kさん:はい、そうさせて頂きます。
松:では、次の質問いきますね。
ここまで色々なお話を聞かせて頂いてきたわけですが、そういうことを全部、全部、踏まえてお答えください。
ズバリ、不動産屋として開業する道を選んで良かったですか?それとも失敗したと思っていますか?
Kさん:あ、それはハッキリ開業して良かったなって思ってます。
松:収入が不安定だとか、奥さんのイライラが酷いとかいうことを踏まえても?
Kさん:ですね。そういう良くないことの何倍もいいことがありますからね。
精神的にも時間的にも自由でいられるということが、どれだけ価値があるかってことをヒシヒシと感じています。
自分は、そんなにそういうことを求めている方じゃないと思っていたんですけどね。
それでも自由になると、やっぱり自由はいいなと思うわけですから、自由でいられるってすごく価値あることなんだなと思います。
松:なるほど。
Kさん:あと、さっきも言いましたけど、私はやっぱり自分の足で立っている感じが好きなんだと思います。
うまくいこうが、うまくいかなかろうが、全部、自分の責任だよねと思える感じ。
かなり、大げさな言い方になってしまうかもしれませんが自分の人生をちゃんと生きているって感じがしています。
松:Kさん、そんなこと思ってたんだ。
ちょっと意外です。
Kさん:でしょ。実は私自身もかなり意外に感じてますから(笑)
松:ですよね。
人生とか、正直、あまり言いそうにないから(笑)
では、次が最後の質問になります。
質問というか、お願いですね。
今、不動産屋を開業することを検討されている方に向けてアドバイスとかメッセージのようなものがあればお願い致します。
Kさん:開業を検討されている方に向けてのアドバイスとかメッセージですか。
いや、そんなのおこがましてくて何も言えないですよ。
まだ、私自身が大した結果も出せていないのに。
松:あまり難しく考えないでお願いします。
ちょっとしたことでいいので。
Kさん:じゃあ、とりあえず、後悔だけはしないようにってことですかね。
私の場合は、チャレンジしなかったことを後悔するということだけは絶対に避けたかった。
だから開業したという感じです。
松:チャレンジせずに後悔するより、チャレンジして後悔する方がマシということですか?
Kさん:あくまで私の場合はですよ。
どうせ、いつかは死ぬんだし、じゃあ、ちょっとでもやってみたいと思えたことはチャレンジしておく方がいいのかなということです。
松:すごくいいこと、おっしゃってますよ。
Kさん:いや、えらそうなことを言うわけじゃないんですよ。
メッセージというか、私はそう考えているということでお願いします。
松:了解致しました。
それでは結構、長い時間、色々とお答え頂き、ありがとうございました。
きっと、これから不動産屋を開業しようとしている方にとって、有益な内容になったことと思います。
Kさん:ですか?
なんか、全然、まともなことが言えなくて、申し訳ないです。
松:全然、全然!
ものすごくいい話が聞けましたよ。
Kさんにお願いして正解だったと思ってます。
Kさん:本当ですか。
そう言って頂けるとちょっとだけ安心します。
松:いや、本当ですよ。
今、感じていらっしゃることを結構、深いレベルで聞けてすごく助かりました。
それでは、また次回のコンサルでお願い致します。
Kさん:こちらの方こそお願い致します。
松:それでは、これで失礼致します。
本日はどうもありがとうございました。
最後に
以上が当方のクライアント、Kさんとの間で行った不動産屋開業についてのインタビューの内容となります。
実際には、全部を文字に起こすと、これの2.5倍ぐらいの長さになるインタビューだったのですが、今回の話題と関係のない部分については割愛させて頂いております。
それでも、なお、多少、本題と関係のうすい部分があったかもしれませんが、話のつながりを重視し、あえて残すことに致しました。
その点、ご了承下さい。
本インタビューの内容が、あなたが不動産屋の開業を検討する上での参考材料となれば幸いです。
以上、今回は「不動産屋を開業してみた。経験者が語る本音、正解?それとも失敗?」というテーマでお送りいたしました。