初心者マークを持つ女性

今回は不動産業での独立は未経験でも可能なのか、それともある程度は経験を積むべく修業をすべきなのかというテーマでお伝えします。
未経験で独立を目指されている方は是非とも参考になさって下さい。

不動産業界未経験で独立することは可能?

まずは結論から。
不動産業での独立は未経験でも十分、可能です。

以前の記事でも少し書かせてもらったことではあるのですが、不動産業をやっていくために必要な知識は、実際には、それほど多くはないからです。
そのことは不動産屋さんに就職した新入社員が取引を3回ほども経験すれば、一人で仕事をこなせるようになることも明らかです。

ですので、業界未経験ということが、それほど大きな問題になることはありませんので、あまり心配しないで不動産業での独立を検討するようにして下さい。

未経験で独立する場合にやっておくべきこと

未経験で独立する場合、「取引の流れ」についてだけは、しっかりと把握しておくべきです。
「取引の流れ」がわかっていれば、その時々に「今、自分が何をやるべきか」がわかりますので。

「今、自分が何をやるべきか」がわかっていれば、その具体的なやり方については本やインターネットで調べることもできます。
つまり、「取引の流れ」さえわかっていれば、不動産屋としての実務で特に困ることはないのです。

以下、参考までに不動産購入の仲介をする場合のざっくりとした「取引の流れ」を紹介しておきます。

①来店

②物件等の詳細条件の確認
(お客様に関する情報や物件等の詳細条件を記録するためのアンケート用紙を事前に準備しておく)

③物件資料の提供
(物件情報の収集はレインズで行う。レインズに登録されている物件でも既に商談が入っていることもあるので、必ず、現在の状況を事前に電話で確認する)

④物件案内
(事前に売主側の不動産屋に連絡して物件案内の手配をしてもらう。物件案内には売主側の不動産屋が立ち会うことが多い)

⑤購入申込み
(購入申し込みは不動産購入申込書(買付ともいう)という書面で行う。購入価格や契約日、特約の付帯等の取引条件の交渉は必ず、この時点で行う)

⑥売主の承諾

⑦住宅ローンの事前審査
(住宅ローンを利用する場合。事前審査の必要期間を確認し、売主側の不動産屋に知らせておく。)

⑧重要事項説明及び契約日の決定
(事前審査に通過したら速やかに。原則として売主側、買主側、一堂に会して重要事項説明及び契約を行うが、スケジュール調整が難しい場合、別々に契約を行うこともある。(持ち回り契約))

⑨重要事項説明
(取引士が取引師証を提示して行う。重要事項説明書の作成および重要事項説明は売主側の取引士が行うことが多い。自分が重要事項説明を行わない場合にもお客さんがその内容を理解しているかは必ず、確認すること。)

⑩売買契約
(契約書の内容が事前の話し合いの通りになっているかを必ず確認する。住宅ローン特約や契約内容不適合責任に関する特約の内容などは特に注意。なお、手付金についての定めがある場合、その交付は契約時点で行う。)

⑪住宅ローンの本審査
(住宅ローンを利用する場合。本審査の必要期間を確認し、売主側の不動産屋に知らせておく。)

⑫決済日の決定および連絡
(売主側の不動産屋と決済日について相談し、決定すると共に登記をお願いする司法書士、火災保険の加入手続きをお願いする代理店等に連絡。)

⑬金銭消費貸借契約
(住宅ローンを利用する場合。自社が融資をしてくれる金融機関を紹介している場合、原則、金銭消費貸借契約に同行する。)

⑭決済日
(買主が売買代金を支払うと共に売主は所有権移転登記に必要な書類及びカギの引渡しを行い、取引を結了させる。また仲介手数料の支払いを受けるために領収書の準備が必要となる。)

専門用語が少し多くなってしまったため、難しく感じるかもしれませんが、実際には特に難しいことは何もありません。

ここでは、あくまで例示としてざっくりとした取引の流れを示すに留めますが、より詳しく取引の流れを掴んでおいて下さい。
そうすれば未経験で独立しても特に困ることはないはずです。

未経験で独立する前に読んでおきたい本

業界未経験で独立する場合に「取引の流れ」等の実務知識を身に着けるために読んでおきたい本としては次のようなものがあります。

経験ゼロでもムリなく稼げる小さな不動産屋のはじめ方(同文舘出版)
自分の本で恐縮ですが、編集者さんのご尽力もあって、非常に良い本になっていると思います。
編集者さんの方針でレビュー評価の調整を一切、行っていないので評価は決して高くありませんが、読者の方から未だに感謝の手紙を頂くことが多いですので。
不動産業界、未経験で独立し、ビジネスを成功させるために必要な知識・考え方などを一通り網羅しています。

不動産取引の仕組みがわかる本(同文舘出版)
「不動産」ではなく「不動産取引」に焦点をあてて、詳しく解説されている本です。
編集者さんからご献本頂き、読ませてもらったのですが、非常に良くまとまっており、実務で活かせる濃い知識を効率よく学ぶことができます。
未経験者のみならず、現役の実務者にとっても、学ぶことの多い一冊です。

いずれの本も実務知識を体系的に整理して学べる良書です。
興味のある方は是非、ご一読下さい。

未経験でも独立しやすいビジネスモデルは?

未経験でも独立しやすいビジネスモデルは売買仲介です。

賃貸仲介の方が取引の流れもシンプルだし、必要となる法律知識も少ないため、未経験でも独立しやすい気がするかもしれません。
しかし、賃貸仲介は一般的に駅前にフランチャイズチェーンの看板を借りた不動産屋が軒を連ねるなど競合が強く、客単価も低いため、集客に苦労することになります。
その点を踏まえれば、たとえ未経験であっても売買仲介で独立する方が楽に稼ぐことができるということです。

経験や実務知識の不足は、わからないことが出てくる度に調べたり、本などを通して学ぶことによって、補うことができますし、独立後、ある程度の時間が経過すれば、解消していきます。
しかし、賃貸仲介で独立した場合の集客に関する苦労は、ビジネスモデルを変更しない限り、ずっと、ついて回ります。
ですので集客で苦労したくない方は、是非とも売買仲介で独立するようにして下さい。

※賃貸仲介でも専門化等で差別化することによって集客しやすいビジネスモデルにすることは可能です。
この点については、いずれ、あらためてお話させて頂きます。

経験や実務知識より大切なものとは?

業界未経験で独立される方は、経験や実務知識の不足を気にされる方が多いですが、その点については上でも書かせてもらったとおり、時間の経過が解決してくれるため、それほど気にする必要はないです。
そんなことにより、もっと心を砕くべき問題があります。

それはズバリ、集客に関する問題です。

考えてもみて下さい。
集客ができなければ経験や実務知識があっても、それを活かす機会さえ、ありません。
そして、それ以上に集客ができなければ、売上がもたらされることはなく、ビジネスを継続できる可能性はゼロになってしまうのです。

だから、未経験者の方も集客に関することを最優先で考えましょう。
経験や実務知識のことなんて、極端は話、実際にお客さんを獲得できてから考えても遅くはないのです。

ビジネスを成功させる上での重要事項の優先順位を決して見失わないようにして下さい。

修行はした方が良い?

他の不動産屋に就職して修行することは必須ではありません
ただし、どうしても、いきなり独立するのは怖いという方は2~3年を目安に修行をさせてもらってもいいでしょう。

独立に必要な経験や実務知識は、真剣に取り組めば、半年ほどで十分、身につくと思います。
しかし、自分の目的が果たせたからといって半年ほどでやめてしまっては、せっかく雇ってくれた不動産屋さんの方が迷惑することになると思いますので、2~3年は働いて、しっかりと恩返しをしましょう。
そうすれば、独立後、困ったことが出てきた時にも相談に乗ってもらいやすいと思いますので。

なお、せっかく他の不動産屋で修業をさせてもらうなら、接客だけでなく集客に関する取り組みにも積極的に関与させてもらいましょう。
不動産屋の給与は成果報酬の部分が多いので目先の給与のことだけ考えれば接客だけをしておく方がいいかもしれませんが、独立後のことを考えれば、むしろ集客に関する取り組みについて色々と経験させてもらうことの方が価値が高いです。
単に一営業マンとしてではなく、経営者としての視点をもって修行させてもらって下さい。

※修行先の不動産屋さんは自分が独立開業をしている地域と商圏が被らないところを選びましょう。
ビジネスマンとしての最低限のルールです。

まとめ

1.不動産業での独立は未経験でも十分、可能である。

2.未経験で独立する場合、「取引の流れ」についてだけは、しっかりと把握しておくべきである。
「取引の流れ」がわかっていれば、その時々に自分がやるべきことについて調べることができるので困ることはない。

3.未経験で独立する場合に事前に読んでおきたい本は以下の2冊。
経験ゼロでもムリなく稼げる小さな不動産屋のはじめ方(同文舘出版)
不動産取引の仕組みがわかる本(同文舘出版)

4.未経験でも独立しやすいビジネスモデルは売買仲介
賃貸仲介は競合が強く、客単価が低いため、集客に苦労する。

5.未経験者の方も最優先で考えるべきことは集客に関する問題である。
実務に関することは極端な話、お客さんが獲得できてから考えても良い。

6.他の不動産屋さんでの修業は必須ではない
修行させてもらう場合には、接客だけでなく、独立後の重要度がより高い集客に関することにも積極的に関与させてもらうべき。
また、修行させてもらう不動産屋さんに決して迷惑をかけないこと。