こんにちは、松村です。
本日は「不動産業界未経験の方が40代で不動産屋として開業し成功するために守るべきポイント」について私なりの考えをお伝えしたいと思います。
実はつい先日、スポットコンサルでまさに「不動産業界未経験、40代で不動産屋として開業しようとしている方」からご相談をお受けしたんですよね。
そこで、同じような条件の中で不動産屋として開業しようとしている方が他にもいらっしゃるのではないかと思い、当サイトでもあらためて、このテーマでお話してみようと考えたわけです。
40代って開業しようとするにあたっては色々と考えないといけないことが多い世代ですよね。
たぶん、まだ、ほとんどの人が住宅ローンの返済の途中だろうし、子供の教育費の負担もある。
そういった失敗の許されにくい状況の中で、いかにして、不動産屋としてより確実に成功するのかについてお伝えしていきたいと思っていますので興味のある方は是非とも最後までお付き合いください。
それでは早速、行ってみましょう。
業界未経験40代で開業し成功するためのポイント
業界未経験40代で不動産屋を開業する方が、より確実に成功するために押さえておくべきポイントとしては以下のようなものがあります。
1.人脈をフル活用する
既に40代になっていらっしゃるということは、これまでの社会経験の中で少なからず人脈を築いてきていらっしゃるはず。
役職経験もあり、社外的にも顔が利くという方が結構、多いのではないでしょうか。
その40代ならではの人脈力を不動産屋としてのビジネスを始めるにあたって、しっかりと活用するようにして下さい。
具体的には、これまでの仕事やプライベートな活動の中で知り合った友人・知人に「不動産屋を始めることになったから何かあったら相談してね」とお願いして回りましょう。
さらにお客さんの紹介などもお願いしておくべきです。
不動産屋は信用商売。
もともとの友人・知人やその紹介のお客さんなどは、あなたのことを信用してくれやすいため、成約しやすい「いいお客さん」になりやすいのです。
よその不動産屋さんに逃げる可能性も低いですしね。
以上のようなことから、まずはご自身の人脈をフルに活用してお客さんを獲得していくことを考えて下さい。
そうすれば、きっと、かなりスムーズにビジネス成功のための軌道に乗っていくことができるはずです。
なお、友人・知人にビジネスの宣伝をしたり、お客さんの紹介をお願いして回るなんて格好悪いとか、嫌な顔をされそうで気が引けるとか感じる方がいるかもしれませんが、自分でビジネスをやっていくことを決意した以上、そういう感情は捨てましょう。
無意味な見栄やプライドはビジネスの成功を目指す上で自分の足を引っ張るだけです。
まずは友人・知人の名前をすべて書き出して下さい。そして、それらをお客さんになってくれそう、もしくは、お客さんを紹介してくれそうな順番にならべて、順番に連絡をとっていくのです。友人・知人の多い方などは、これだけでも十分、ご飯が食べていけるぐらいお客さんを獲得できるようになる可能性があります。是非とも実践して下さいね。
2.集客に力点を置く
業界未経験で不動産屋を開業された方は自分に経験がないことを気にしすぎて実務知識のインプットばかりに力が入る傾向があります。
特に40代以降で開業された方は、その傾向が強いような気がします。
おそらく実務上、わからないことが出てきても自分より、ずっと若い同業者には質問しにくいという気持ちもあって、そう、なってしまうのでしょう。
しかし、不動産屋として成功することを目指すなら、実務知識をインプットすることなんかより、集客にこそ力を入れるようにしなければなりません。
実務知識がなくても売上が立つ可能性はありますが、集客できなければ売上が立つ可能性は0%だからです。
だから、開業する前も開業した後も集客にこそ最も多くの時間と労力を注ぐようにして下さい。
具体的には十分な集客ができるようになるまでは、自分が仕事に使える時間と労力の8割は集客に使うようにしましょう。
十分な集客ができるようになってから後も5割は集客に使うようにすべきです。
集客数は、ちょっと、さぼればすぐに減ってしまうものですので。
このポイントを守ることができればビジネスは非常に高い確率で成功します。
しかし、これを守ることができなければ、成功することは非常に難しくなってしまいます。
まさにビジネスの成否を分ける本当に重要なポイントです。
絶対に忘れないようにして下さいね。
なお、これまで集客について学んだことが全くないという方は、まずは私が書いた以下の無料レポートをお読みになって下さい。
きっと自分が集客できるようになるためにやるべきことの大枠を把握して頂けるはずです。
私がこれまで多くの不動産屋さんからのご相談に対応してきた経験から言うとビジネスがうまく行っていない方は例外なく集客活動の絶対量が少なく過ぎます。集客に注ぐ時間と労力の量を全体の8割まで引き上げてみましょう。おそらく半年程度でビジネスが軌道に乗り始めます。
3.躊躇せずに質問する
不動産屋の仕事をはじめてから以降、他の不動産屋さんの営業マンとのやり取りの中でわからないことが出てきたら、躊躇することなく、その営業マンに質問するようにして下さい。
上司も先輩もいない状態で業務をこなしている以上、わからないことがあったら相手方となる(売買契約等を共同仲介する)不動産屋の営業マンに聞くしかありませんので。
相手も取引がスムーズに進まなかったら困りますので、ちゃんとわかるように答えてくれるはずです。
上でも少し触れましたが、40代になってから未経験で不動産の業界に入ると、どうしても自分より若い営業マンが多くなるため、わからないことがあっても質問しにくいかもしれません。
前職などでそれなりの地位やキャリアを築いてきた人については、プライドが邪魔することもあるでしょうし。
しかし、だからといってわからないことを、わかっているかのような顔をして質問しないでいると、いつまでたっても不動産屋としての知識レベルが向上しませんし、最悪、お客さんに迷惑をかけることもありえます。
プライドを守るがためにお客さんに迷惑をかけるなんて、愚の骨頂ですよね。
不動産屋としてやっていく上で最も重要であるはずのお客さんからの信用を失うことにもなりかねません。
だから、業界未経験で不動産屋を開業するという道を選ぶ以上、少なくとも不動産屋として仕事に取り組む場面では、過去のプライドを封印し、わからないことについては素直に教えを乞うことができる謙虚さ・素直さを持って下さい。
大丈夫、その辛抱もそれほど長くする必要はないはずです。
それこそ5回も取引の経験を積めば、ほぼ、質問をする必要もなくなりますので。
相手側の不動産屋の営業マンが信用できそうな人物であれば、思い切って早い時期に自分の実務経験が浅いことを告白してしまってもよいかもしれません。そうすれば相手もそれなりの対応をしてくれるでしょうし、わからないことが出てきても質問しやすくなるはずです。
4.経済的な備えを十分に行う
不動産屋として開業する際には、ある程度の期間は、売上が全く上がらなかったとしても、ビジネスを続けていけるだけの経済的な備えをしておく必要があります。
どれほど集客について周到に事前準備を行ったとしても、開業した当初からいきなり安定的に売上を上げ続けることができる保証はどこにもないからです。
具体的にはビジネス上の経費+生活費を最低、6ヶ月分、できれば1年分は用意するようにして下さい。
集客のための事前準備がしっかりできていることが前提にはなりますが、これぐらいの経済的な備えがあれば、まあ、大体、なんとかなるはずです。
なお、この経済的な備えは、40代あたりでお子さんのいらっしゃる方については、特に手厚くやっておく必要があるものと考えます。
一般的に40代から50代前半にかけての年代はお子さんの教育費のピークに当たるからです。
自分の夢を叶えるべく、不動産屋として開業することを選んだがために子供の夢を叶えてあげることができなくなる。
親として、これほど辛いことはないですよね。
そんなことにならないためにも、どれほど順調に集客できる自信があったとしても、経済的な備えを十分に行っておかれることを強くおすすめします。
自力で経済的な備えを十分に行うことが難しい場合には日本政策金融公庫等で融資を利用することを検討しましょう。ビジネスをやっていて一番、怖いのは資金ショートによる退場です。不動産屋の場合、集客できたとしても、その集客が収入に変わるまで2~3か月は時間がかかるのが普通です。その点も踏まえてなるべく、しっかりと経済的な備えをするようにして下さいね。
業界未経験でも開業できるのか?
今回のテーマに関連してそもそも「不動産業界未経験でもいきなり開業することができるのか」という点について私の考えをお伝えしておきたいと思います。
この点については以前、このサイトでも書かせてもらったとおり、特に問題なく独立開業できると断言させて頂きます。
不動産屋さんの実務は世間一般で考えられているほど難しいものではないからです。
不動産屋さんとして開業することを検討されているということは、おそらく宅建士の資格はお持ちなわけですよね。
宅建士の資格を取得できるだけの不動産関連の法律知識があるのであれば、あとは、そこに取引の流れや重要事項説明書作成のための調査のやり方などの実務的な知識を少し足していけば、特に問題なく不動産屋としてやっていくことができるはずです。
また、今はインターネット全盛の時代。
たとえ、わからないことが出てきたとしてもインターネットを上手に使って調べれば、大抵のことはわかります。
だから、あまり心配なさらず、思い切って不動産屋での開業に踏み切って下さい。
たぶん半年も経たないうちに「全然、心配する必要なかった」と感じて頂けるはずです。
なお、以下に取引の流れ等、不動産屋としての実務知識を学べる本を紹介しておきますので参考になさって下さい。
こちらは内容的にもわかりやすく最初の一冊としておすすめです。
こちらは重要事項説明のための調査に役立つ本です。
私自身もいまだに参照することがあります。
うちのコンサルのクライアントは7~8割が不動産業界未経験者ですが、みなさん立派にやっていらっしゃいますよ。ご心配無用です。
40代での開業はどうなのか?
次に40代で不動産屋を開業するという点についても私の考えをお伝えしておきたいと思います。
実は冒頭でご紹介したご相談者は40代後半の方だったのですが、その方から「この年齢から開業するのって遅すぎますか?」とのご質問を頂いたんですね。
で、同じような疑問を持たれている方が他にもいらっしゃるかもしれないので、私の考えをお伝えしておこうと思った次第です。
結論から言いますと、全く遅すぎることはありません。
というか、むしろ、年齢的にある程度の人脈もできて、人としての落ち着きも出てきて、不動産屋を開業するにはジャストタイミングと言ってもいいぐらいなのでは。
あまりに若すぎると、不動産のような大きな資産について相談する相手としては不安を感じるお客さんだって、少なからず、いるはずでしょうしね。
それに不動産屋さんの仕事は、体力的にそんなにきつくないので健康でさえあれば、それこそ、70代、80代になっても十分、続けられます。
生涯現役みたいなことも、そんなに無理することなく目指せるのではないでしょうか。
以上のようなことからから考えれば40代での開業はジャストタイミングなのではという気がしてきませんか。
少なくとも私はそう思います。
もちろん、40代は住宅ローンの返済が続いていたり、子供さんの教育費の負担が大きかったりと不安を感じる要素の多い年代です。
しかし、それをマイナスのプレッシャーにするのではなく、むしろ、自分の背中を押してくれる力に変えて、ビジネスでの成功を目指し大いに頑張って頂きたいと思います。
がんばれ40代!
子供さんの教育費については奨学金や教育ローンでも賄えますので、あまり心配されませんように。親として子供さんの夢を応援するのは当然のこととしても、そのために自分の夢を犠牲にするようなことはすべきではありません。両方の夢を叶えることができる方法を模索しましょう。
40代は売買で勝負を
40代で不動産屋を開業される場合、売買仲介と賃貸仲介なら、売買仲介で勝負されることを強くおすすめします。
賃貸仲介のお客さんは若い方が中心であるため、営業する側もある程度、若くないと話が合わず、うまくいかないことが多いからです。
「業界未経験なので、まずは実務のハードルが低い賃貸仲介から始める方がいいのではないか」と考える方がいらっしゃるかもしれませんが、実務のハードルが低かろうと高かろうと成約ができなければ、どうにもなりません。
なにしろ売上が立たないわけですから。
以上のような事情を踏まえて、40代で不動産屋を開業される場合、原則的には売買仲介業務中心で検討するようにして下さい。
なお賃貸仲介の実務は法律的な知識の面などではたしかに売買仲介の実務ほど、難しくないかもしれませんが顧客単価が低い分、数をこなさなければならず、単純な事務処理能力などは売買仲介より、むしろ高いレベルが要求されると思います。
そういった意味では賃貸仲介の方が実務のハードルが低いなどとは、必ずしも言い切れないものとお考え下さい。
ちなみに私自身も若いころは賃貸仲介の営業をやっていたことがありますが、今となってはもう、ちょっと無理だろうなあと思います。
やりたくないということではないですよ。
あくまで、もう無理だろうなあと感じるのです。
月に7~10本もの契約の事務処理を行うなんて、スピード感がないと、なかなか、できないですからね。
要するに賃貸仲介は賃貸仲介で別の大変さがあるということです。
「自分は会社の若い子とも結構、話が合うから賃貸仲介でも大丈夫なのでは?」と安易に考えないこと!会社の若い子は話を合わせてくれているだけのことが多いですからね。他方、若いお客さんが気を使って、あなたに話を合わせてくれることはありません。特別な事情でもない限り賃貸仲介は避け、売買仲介中心で取り組まれることをおすすめします。
まとめ
- 業界未経験40代で不動産屋として開業し成功するための主なポイントは以下の4つ。
・これまで培ってきた人脈をフルに使うべく、仕事の依頼やお客さんの紹介を積極的にお願いして回る。
・集客にこそ最も多くの時間と労力と資金を注ぐことを強く意識する。
・プライドを封印し、わからないことがあれば自分より若い人にだって躊躇なく教えを乞うことを心掛ける。
・40代がちょうど、お子さんの教育費のピークに当たること等を考慮し、十分な経済的な備えを行う。 - 業界未経験でも特に問題なく、不動産屋として独立開業することはできる。
不動産屋の実務は世間一般で考えられているほど、難しいものではないからである。 - 40代という年齢は不動産屋として開業する年齢としては決して遅くはない。
これまで培ってきた人脈を活用することができるし、不動産屋のビジネスは体力的にきついわけでもないので、その気があれば、生涯現役を貫くてことだってできるからである。 - 40代で不動産屋を開業する場合、賃貸仲介ではなく、売買仲介で勝負する方がよい。
賃貸仲介におけるお客さんの主な年齢層、事務処理等に要求されるスピード感などを考えれば、多少、高度な法律的知識を要求されるとしても40代にとっては売買仲介の方が成果を出しやすいからである。
不動産屋に限らず、どんなビジネスで独立開業する場合であっても不安というのは尽きないものだと思います。
「業界未経験だし、40代だし、やっぱり無理かなあ。」
こういう風に考えてしまう気持ちも十分に理解できます。
私自身もどちらかと言うとネガティブに物事を考えてしまう方ですから。
しかし、こんな風に考えることだってできるわけですよね。
業界未経験だからこそ出てくるビジネス上の発想があるはずだし、40代だからこそできるビジネス上のアピール方法だってあるはず。
そう、一見、不利に見える条件だって、見方を変えれば有利な側面も必ず、あるものなのです。
だから不動産屋として開業することについて慎重に検討するのは良いとしても、あまりネガティブに考えるのはやめましょう。
必要以上にネガティブに考えて、大きなビジネス上の成功を手に入れられるチャンスを逃してしまうのは、あまりにもったいないことですので。
十分に考え、十分に備え、チャレンジする。
そうすれば業界未経験だろうと40代だろうと50代だろうと不動産屋として成功するのは、そんなに難しいことではないはずです。
そもそも不動産屋は顧客単価、利益率ともに抜群に高く、非常に成功しやすいビジネスですからね。
あまり難しく考えすぎず、なるべくポジティブな心持ちで検討してみて下さい。
以上、今回は「不動産業界未経験、40代での開業、成功のために守るべきポイントとは?」というテーマでお伝え致しました。