3つのチェックポイント

今回は賃貸仲介での独立で失敗しないために3つのチェックポイントというテーマでお話させて頂きます。

これら3つのチェックポイントを外してしまうと「どんなに頑張っても稼げるようにはならない」という悲惨な状況に陥ってしまう可能性が高いですので、賃貸仲介での独立を検討されている方は是非とも参考になさって下さい。

失敗しないための3つのチェックポイント

賃貸仲介での独立で失敗しないための3つのチェックポイントは以下のとおりです。

①賃貸需要の高さ

賃貸需要とは自社が賃貸仲介業者として独立し、営業するエリア内で、賃貸物件を探している見込み客がどの程度いるのかということです。

そもそも独立しようとしているエリア内での賃貸需要が乏しければ、賃貸仲介で独立しても大きく稼げる可能性は非常に低くなってしまいます。
だから、まずは賃貸需要の高さをチェックすべきであるということです。

一般論としては田舎より都会、不便な場所より、便利な場所の方が、賃貸需要が高いという法則があります。
しかし、それ以外にも大企業や大学の有無、居住環境の良し悪しや、賃貸物件の豊富さや平均的な質なども賃貸需要に影響を与えますので、そういったことを踏まえて賃貸需要の高さを客観的に判断しなければなりません。

また、既存の賃貸仲介業者の実際のお客さんの入りを一定期間、継続的にウォッチするという方法も賃貸需要の高さを判断する上で非常に有効な方法と言えます。

②競合の多さ、強さ

賃貸需要が高いことがわかったら、独立を検討しているエリア内で既に営業している競合の多さ、強さもチェックしなければなりません。
いくら賃貸需要が高くても、同じ見込み客を奪い合う競合がものすごく多かったり、強かったりすれば、やはり大きく稼ぐことは難しくなってしまうからです。

積極的に集客している賃貸仲介業者は駅前に店舗を構えることが圧倒的に多いので、まずは半日ぐらいかけて駅周辺の主だった賃貸仲介業者の数を把握しましょう。
また、最近は集客をインターネットに頼る空中店舗型(商業ビルの2階以上に店舗を構えること)の不動産屋も増えていますので、Googleで「地域名+賃貸」と検索したり、不動産ポータルサイトなどもチェックして、駅周辺で歩き回るだけでは発見しにくい競合の数も、できるだけ把握するようにして下さい。

なお、競合が非常に多く、強いエリアであっても、見込み客にとって意味のある明確な差別化を図ることができれば、競合の影響を小さくすることは十分、可能です。

③広告料相場

広告料とは、賃貸仲介業者が仲介によって賃貸借契約を成立させた際に、貸主側から支払われる報酬のことです。

賃貸仲介業者が賃貸借契約を成立させた際に借主から受け取ることができる仲介手数料は賃料の半月分に過ぎません。
しかし、広告料は賃料の2ヶ月分、3ヶ月分にもなることもあり(筆者が知る限りの最高金額は4ヶ月分)、賃貸仲介業者にとっては仲介手数料よりはるかに大きな収益源となっているのです。
そのため、賃貸仲介業者として独立を検討する際には、営業エリア内での広告料相場が非常に重要な判断要素となるということです。

広告料相場についてはレインズに登録されている物件資料や貸主側の不動産屋が作成している空室一覧などをチェックすれば、知ることができます。
現在、不動産屋に勤務されていない方にとっては難しいことかもしれませんが、知り合いを頼るなどして、なるべく広告料相場を正確に把握した上で賃貸仲介での独立の可否について検討するようにして下さい。

独立成功のための鉄則とは?

賃貸仲介で独立し成功するための鉄則が一つあります。

それは、ズバリ、競合他社と明確な「差別化」を行うということです。
見込み客にとって意味のある「違い」を意図的に作り、それを見込み客にわかりやすい言葉で伝えなければならないのです。

たとえば、あなたが独立を検討している地域の駅前に賃貸仲介業者が10社も軒を連ねていたとします。
中には大手フランチャイズチェーンの看板を掲げる業者も5つほどあり、普通に考えれば独立したばかりの自社が競合他社を抑えて見込み客に選ばれる可能性は、非常に低い状況です。

しかし、そんな状況の中でも、あなたの不動産屋さんが、たとえば「女性のお客様専門」などとうたい、明確に他社との差別化を行えば、その差別化に価値を感じたお客様は、あなたの不動産屋を利用することを優先的に検討してくれるはずです。

もちろん、「女性のお客様専門」などとうたえば、男性の見込み客はすべてあきらめるしかなくなると思います。
しかし、それで構わないのです。
しょせん、市場に存在するすべての見込み客を自社のお客さんにすることなどできないのですから。

駅前に賃貸仲介業者が10社も軒を連ねているという市場規模を考えれば、女性の見込み客のたとえ3分の1でも自社のお客さんにすることができれば、ビジネスを続けているだけの売上を獲得できるはずです。

明確に差別化し、そのことを見込み客にはっきりと伝えることができれば自ずとそれが達成できます。
明確な差別化ができれば集客が非常に楽になるのです。

賃貸仲介で独立し成功したいのなら、競合とどんな切り口で「差別化」すべきかということを事前に考え抜いて下さい。

まっちゃん先生まっちゃん先生

差別化の程度は自社が営業する地域の市場規模を踏まえて考えて下さいね。田舎であれば「賃貸専門」とうたうだけで十分、差別化できることもあります。

賃貸仲介か売買仲介か

今回の記事では賃貸仲介での独立について書かせてもらっていますが、ここで私がそもそも賃貸仲介と売買仲介のどちらで独立する方が良いと考えているのかについて触れておきます。

実は私は売買仲介で独立する方が良いと考えています。

理由は2つあります。

一つ目の理由は売買仲介の方が、競合が弱い、逆に言うと賃貸仲介の方が、競合が強いからです。
(田舎では少し、状況が違うことがあります。)

賃貸仲介は大手FC(フランチャイズチェーン)への加盟を含めて、かなり集客に本気で取り組んでいる競合が多い印象があります。
そのため、具体的な戦略なく、賃貸仲介で独立すると「ほとんどお客さんが獲得できない」という状態になる可能性が非常に高いです。

二つ目の理由は売買仲介の方が、客単価が高いからです。

特に不動産価格が高い都会では売買仲介の客単価が賃貸仲介の客単価の6倍から8倍程度になるものと考えられます。
つまり賃貸仲介で売買仲介と同じだけの売上を作ろうと思えば売買仲介の6倍から8倍程度の見込み客を獲得する必要があります。
これが決して簡単なことではないことを容易にご理解頂けますよね。

以上2つの理由から私は賃貸仲介より売買仲介で独立する方がビジネスを成功させやすいと考えているわけです。

こだわりがあってどうしても賃貸仲介で独立したいという方もいらっしゃると思いますが、その場合、「競合を抑えて見込み客から選ばれるための十分な策」を事前にしっかりと検討して下さい

FCには加盟すべき?

賃貸仲介で独立する場合、大手FCへの加盟を検討される方も多いことでしょう。
そこで大手FCへの加盟の是非についてお話しておきたいと思います。

結論から言ってしまうとケース・バイ・ケースということになります。
まあ、当たり前の話ですが、もたらされる集客効果が加盟のための必要経費を上回るようなら加盟すべきだし、もたらされる集客効果が加盟のための必要経費を下回るようなら加盟すべきでないということです。

FC加盟によって、もたらされる集客効果は全国どこでも一律でなく、営業地域の賃貸需要や競合の強さ等によって大きく変わってきます。
したがってFC本部が提示する都合のいい集客効果(成功事例における集客効果)を鵜呑みにするのではなく、「自社の営業地域では、どの程度の集客効果を発揮してくれるのか」ということを慎重に見極める必要があります。

実は私自身も、ある不動産屋で店長をしていた際に、某大手FCへの加盟を経験したことがあるのですが、もたらされた集客効果は、期待に遠く及ばないどころか、ほぼゼロでした。
営業している地域の市場環境によっては、こういうことも普通に起こりえますのでFC加盟に過度の期待をしてはいけません

「仮に期待する集客効果の半分の集客効果しかなくても加盟料等をペイできるか」というぐらいの慎重な基準を用いて加盟の是非を検討するようにして下さい。

開業資金はいくらぐらい?

賃貸仲介で独立する場合の開業資金は300万円程度~(個人で免許を受けるのであれば270万円程度~)ということになります。

賃貸仲介の場合、ビジネスを成立させるために獲得すべき、お客さんの数が多くなるため、必然的に自宅開業という選択肢はなくなります。
つまり、事務所開設関連費が絶対に必要になるということです。

なお、開業資金の内訳等については、以下の記事で詳細に解説していますので、興味のある方はご一読下さい。

不動産業での独立開業資金はいくら必要?融資は利用できる?

まとめ

1.賃貸仲介での独立で失敗しないためには①賃貸需要の高さ競合の多さ、強さ広告料相場の3つのポイントをチェックすべきである。

2.賃貸仲介で独立し成功するための鉄則は競合他社と明確な「差別化」を行うこと。
賃貸仲介では競合が強いことが多いため、売買仲介で独立する場合以上に強く差別化を意識する必要がある。

3.賃貸仲介と売買仲介では売買仲介で独立する方が結果を出しやすい。
売買仲介の方が一般論として競合が弱く、客単価が高いためである。

4.賃貸仲介で独立する場合のFCへの加盟の是非は、もたらされる集客効果が加盟のための必要経費を上回るかどうかを検討した上で判断する。
その際、もたらされる集客効果はきわめて控え目に考えること。

5.賃貸仲介で独立する場合の開業資金は300万円程度~(個人で免許を受けるのであれば270万円程度~)。