本日は「不動産業界に向いていない人の特徴」というテーマでお伝えしたいと思います。
というのも私は仕事柄か、「自分は不動産業界に向いているか、向いていないか、どっちだと思います?」みたいな質問をお受けすることが多いんですよね。
で、まあ、その都度、その場で思いついたことをお伝えしてきたんですが、一度、自分の考えをまとめておきたいと思い、どうせならサイトの記事にしてしまおうと考えたわけです。
私も既に不動産業界歴が四半世紀になろうとしていますので、結果の出ている営業マンも結果の出ていない営業マンもたくさん見てきました。
そういった経験を踏まえて「不動産業界に向いていない人」の特徴をきれいごと抜きでお伝えしていこうと思いますので興味のある方は是非、最後までご覧になって下さい。
かなり興味がある、実は僕も以前から自分は不動産業界には向いていないんじゃないかと思っていたんだよね。
不動産業界に向いていない人の特徴10選
私の考える不動産業界に向いていない人の特徴は以下のとおりです。
- コミュニケーションをとるのが苦手な人
- 人の気持ちを察するのが下手な人
- 安定した収入を求める人
- 精神的に強くない人
- クレーム対応が嫌な人
- 責任感のない人
- お客さん本位の提案をできない人
- 長時間勤務を避けたい人
- 継続的に学び続ける気持ちのない人
- 不動産が好きでない人
ニュアンス的に多少、被っているように感じる部分があるかもしれませんが、漏れがないことの方を重視した結果ですので、ご容赦下さい。
それでは、以下、それぞれについて簡単に解説していきたいと思います。
コミュニケーションをとるのが苦手な人
不動産屋の仕事はお客さんはもちろんのこと、取引相手となる他の不動産屋の営業マン、お客さんが住宅ローンを利用する先となる金融機関の担当者、登記をお願いする司法書士など多くの人と頻繁にコミュニケーションを取りながら進めることになります。
したがって、そもそも人とコミュニケーションを取ること自体が苦手、もしくは、あまり好きでないという人には向いていない仕事です。
人の気持ちを察するのが下手な人
人の気持ちを察するのが下手な人も不動産屋の営業マンには向いていません。
お客さんを成約に向けて、その気にさせるには、お客さんの気持ちを察し、その気持ちにマッチするような提案を重ねていかなければならないからです。
逆に特に意識しなくても自然と相手の気持ちに思いがいってしまうようなタイプの人は非常に不動産屋の営業マンに向いていると言えます。
人の気持ちは気になる方だけど、察するのは得意じゃないかなあ。
安定した収入を求める人
不動産屋の営業マンの給与体系は、わずかの固定給+営業成績に応じた歩合給といいうのが一般的です。そのため、毎月、同じ金額の給料をもらいたいという安定志向の人には向いていません。
ちなみに全額固定給の不動産屋というのもないわけではありませんが、その平均給与は固定給+営業成績に応じた歩合給という給与体系をとっている不動産屋より、低いことが多いです。ぶっちゃけ、あまり魅力的な勤務先とは言えないと思います。
精神的に強くない人
不動産屋の営業の仕事は他の業界以上に上司からのノルマ達成の要求が厳しく、そのストレスは半端なものではありません。
さらに成約できなければ、歩合給がなく、まともな金額の給料を持って帰ることができないため、接客時のプレッシャーは非常に大きなものとなります。
そういったストレスやプレッシャーと日々、付き合っていくことが耐えられない人、すなわち、精神的にあまり強くない人は、できれば避けた方がよい業界と言えるでしょう。
クレーム対応が嫌な人
不動産業界はクレーム産業などと揶揄されるぐらいにクレームの多い業界です。
しかも扱っている物が高額なだけに一つ一つのクレームが質的に大変、重いものだったりします。
したがって、そういう重いクレームへの対応が頻繁に必要となるような仕事は、やりたくないという人は、不動産業界だけは避けた方よいでしょう。
うわあ、重いクレームへの対応とか絶対、ムリだわあ。考えただけで胃のあたりがキリキリしてくる。
責任感のない人
不動産屋の営業は、何千万もの金銭のやりとりを伴うこともよくある、非常に責任の重い仕事です。
したがって、取引を滞りなく結了させるべく、手抜かりなく仕事を全うできるだけの責任感のある人でないと務まりません。
責任感のない人は絶対にやめておいた方が無難です。
厳しいことを言うようですが、お客さんや勤務先から多額の損害賠償請求を受けることになるのがオチです。
お客さん本位の提案をできない人
不動産の営業の場面ではお客さんにとってのベストな選択と営業マンにとってのベストな選択が食い違うことがよくあります。
そういう場面でお客さんにとってのベストな選択の方を、躊躇なくプッシュすることができない人は不動産屋の営業マンには向いていません。
綺麗ごとではなく、そういう人はなぜか、営業成績がいつまでたっても振るわないのです。
おそらく、お客さんは、高い買い物をしようとする場面だけに、いつもより直感のアンテナが高くなっていて、その営業マンがずるいことを考えていることが、わかってしまうからなのでしょう。
とにかく、私がこれまで見てきた経験から言うとお客さん本位の提案ができない人は、不思議なくらいに営業成績が振るわず、自ずと不動産業界を去っていくことになっています。
つまり、そういう人は不動産業界に向いていないということですね。
長時間勤務を避けたい人
不動産屋の営業は基本的に、長時間勤務を避けられない仕事です。
どうしても、お客さんの仕事が終わった後の、夜、遅い時間帯に連絡をとったり、物件資料を渡したりといった、接客対応をする必要があるからですね。
もちろん、今では私が若かった頃のようにチラシを印刷するために夜中までサービス残業させられるようなことは、まずないと思いますが、それでも他の業界に比べて勤務時間が長いことに変わりはありません。
さらに、休日にまで、お客さんから電話がかかってきて、対応しなければならないようなことも割と普通にあるでしょう。
したがって、長時間勤務を避けたい人、オン・オフをしっかりと分けたい方には向いていない仕事と言えると思います。
やっぱり、今でも基本、長時間勤務なんだね。
とは言っても、勤務時間中も割と自由のきく仕事なので、個人的には、そこまで気にならないですけどね。ただ、オン・オフをしっかりと分けたい人にとっては、厳しい環境かも。
継続的に学び続ける気持ちのない人
不動産屋の営業マンの勉強は宅建資格を取得すれば、それで終わるわけではありません。
不動産に関する法律や税制などについて頻繁に改正があり、常にそれらについてキャッチアップし続ける必要があるからです。
これはどんな仕事にも言えることかもしれませんが、不動産屋の営業マンの仕事の場合、特にその必要性が高いので継続的に学び続けることが苦になるような人は避けた方がいいと思います。
不動産が好きでない人
これは当たり前の話しかもしれませんが念のため。これまで見てきたとおり、不動産業界はなかなかシビアな世界です。
「宅建を持っているから、とりあえず不動産業界にでも」といった程度の動機ではたぶん、長続きしません。
せめて不動産が好きでないと。
逆に不動産がすごく好きであれば、少々、辛いことがあっても踏ん張れることもあると思います。
なんとなく宅建はとったけど、別に不動産に興味があるわけじゃなないという方は、できれば他の仕事を探されることをおすすめします。
まあ、これは当然と言えば当然の話だよね。
それでもあえて不動産業界に入る道を選ぶ方へのアドバイス
これまで紹介した内容に照らして3つ以上の特徴に該当する人は、正直、不動産業界は向いていないと思います。
さらに5つ以上の特徴に該当する人は不動産業界での適正はほぼゼロと言ってもいいぐらいでしょう。
基本的には無理せず、自分に向いている業界を探して就転職されることをおすすめします。
わざわざ向いていない業界での仕事を選んで苦労する必要もないですからね。
ただ、それでも不動産業界で仕事をすることを、どうしてもあきらめきれないという方も一定数、いらっしゃることでしょう。
ここでは、そういう方に向けて、少しでも不動産業界で結果を出せるようなアドバイスを、思いつく範囲でさせて頂きたいと思います。
コミュニケーションをとるのが苦手な人へ
特にお客さんに対する関係で、しっかりと話に耳を傾ける努力をしましょう。
上手に話をすることができなくても、しっかりとお客さんの話に耳を傾けることができればコミュニケーションは成立するものです。
これなら口下手な自分にも問題なくできそう。
人の気持ちを察するのが下手な人へ
気持ちを察することができないなら、言葉を尽くして質問をし、お客さんの気持ちを理解できるよう努力しましょう。
それができれば、お客さんの気持ちを捉えた提案ができるようになります。
精神的に強くない人へ
別に仕事をいつやめても構わないと考えるようにしましょう。
そうすれば仕事のストレス、プレッシャー共に随分、軽くなりますので。
幸い、不動産業界は昔から人の出入りの激しく転職に寛容な業界です。
その業界の体質に甘え、とにかく気軽に考えるようにして下さい。
うん、たしかにいつ、やめても構わないと思えば、だいぶ、気が楽になるね。
クレーム対応が嫌な人へ
クレームの発生率を下げるべく予防措置を徹底して行って下さい。
予防措置をリスト化して、お客さんごとにそれを実践したかをチェックすることを習慣化すれば、クレーム発生率を数パーセントレベルまで下げることも十分、可能なはずです。
お客さん本位の提案をできない人へ
お客さん本位の提案をすることはお客さん以上に自分のためになるのだと考えて下さい。
お客さん本位の提案をしているとお客さんから信頼され、成約率、紹介発生率とも自然とアップしていきます。
長い目で見て絶対に得になりますので、自分が得するためにお客さん本位の提案をできるようになりましょう。
長時間勤務を避けたい人へ
営業のノルマを達成し続けましょう。
不動産業界は他の業界以上に結果が重視される業界です。
ノルマを達成し続けている限り、毎日、定時でさっさと帰ったとしても上司はあまり文句を言わないはずです。
※勤務先によって上司の対応に多少、差があるかもしれません。
ノルマを達成し続けるか。決して簡単なことではないと思うけど、工夫次第でなんとかなるのかな。
まとめ
- 不動産業界に向いていない人の特徴は以下のとおり
・コミュニケーションをとるのが苦手な人
・人の気持ちを察するのが下手な人
・安定した収入を求める人
・精神的に強くない人
・クレーム対応が嫌な人
・責任感のない人
・お客さん本位の提案をできない人
・長時間勤務を避けたい人
・継続的に学び続ける気持ちのない人
・不動産が好きでない人 - 不動産業界に向いていない人は原則、無理せず、自分に向いている業界て就転職する道を選ぶのが無難。
- 不動産業界に向いていないが、それでも業界入りを望む方へのアドバイスとしては次のようなものがある。
・コミュニケーションをとるのが苦手な人は、お客さんに対する関係で、しっかりと話に耳を傾ける努力をする
・人の気持ちを察するのが下手な人は言葉を尽くして質問をし、お客さんの気持ちを理解できるよう努力する
・精神的に強くない人は別に仕事をいつやめても構わないと考える
・クレーム対応が嫌な人はクレームの発生率を下げるべく予防措置を徹底して行う
・お客さん本位の提案をできない人はお客さん本位の提案をすることはお客さん以上に自分のためになるのだと考える
・長時間勤務を避けたい人は営業のノルマを達成し続け、上司に文句を言わせない
今回、不動産業界に向いていない人の特徴について長々と書き連ねてきたわけですが、決して意地悪な気持ちで書いているわけではありません。
不動産業界に向いていない人が、そのことを知らずに不動産屋に就職したりすると、仕事上、嫌な思いをしたり、仕事が続かずムダに履歴書を汚すことになったりとご本人にとってハッピーな結果にはならないので申し上げているだけです。
もしも、この記事を読んで気分を害された方がいらっしゃったら、そのあたりの意図を汲んで、ご容赦頂ければと思います。
いずれにしても、あなたにとってベストな選択をされることを心から祈っております。
以上、今回は「不動産業界に向いていない人の特徴」というテーマでお伝え致しました。
あと、今回の話はあくまで不動産業界に向いている、向いていないという話です。能力の有無について論じているわけではありませんので、その点、誤解されませんように。不動産業界に向いていない人であっても優秀な人はいくらでもいると思いますよ。