こんにちは松村です。
ゴールデンウィークの家族サービスで疲れ果てています。
全然、ゴールデンウィークじゃないよ。(笑)
さて本日は「不動産業を宅建資格なしで開業することは可能か?」というテーマでお送りしたいと思います。
(本記事において「不動産業」とは宅地建物取引業のことを言うものとします。)
実は先日、地域の経営者の懇親会の席である方から「不動産業、興味はあるけど宅建資格がないとできないでしょ?」というような内容のご質問をお受けしたんですよね。
この点については宅建の勉強をしたことがある人なら、大抵は知っていることなのですが、まだ、宅建の勉強をしたことがない人はあまり、知らない話なのかもしれません。
そこで、この点についての疑問を解消するべく今回、当サイトの記事テーマとして取り上げてみることにしたわけです。
わかりやすさ重視でサクッと解説していきますので興味のある方は是非とも最後までご覧になって下さい。
それでは早速、行ってみましょう。
不動産業を宅建資格なしで開業することは可能か?
まずは結論からお伝え致します。
不動産業を宅建資格なしで開業することは可能です。
不動産業の免許を受けるためには事務所に5名に1名以上の割合となるよう、専任の宅地建物取引士を置かなければならないとされています。
しかし、この専任の宅地建物取引士は不動産業の免許を受けようとする者、自らである必要はなく、専任の宅地建物取引士となる者を雇用することによっても上記条件を満たすことができるのです。
したがって宅建資格がない方でも専任の宅地建物取引士を確保することができれば、すぐにでも不動産業を始めることが可能というのが正確な回答となります。
宅建資格なしで開業することのデメリット
上でも申し上げたとおり、不動産業を宅建資格なしで開業することはできるのですが、私は正直、あまりおすすめしていません。
不動産業を宅建資格なしで開業することには大きなビジネスチャンスを捉えるべく、すぐに開業できるというメリットがある反面、それなりのデメリットがあるからです。
以下、そのデメリットを簡単にお伝えしておきますね。
①開業当初から人件費がかかる
専任の宅地建物取引士を雇用するわけですから、当然、人件費がかかります。
これは開業当初のまだビジネスがしっかりと軌道に乗っていない時期にはかなり、大きな経済的負担になります。
なお、以前は一部、宅建業者の中に雇用の実態のない者を専任の宅地建物取引士として申請し宅建業の免許を受けている者がいましたが、今はこの方法はまず通用しないようです。
多くの都道府県で専任の宅地建物取引士の雇用実態を確認できるような書類の提出や提示を求めるようになったからです。
いずれにしても雇用の実態のない者を専任の宅地建物取引士として申請し宅建業の免許を受けることは宅地建物取引業法に違反する行為であり、バレれば重大な結果を招くことになりますので絶対にこのような行為をしないようにして下さい。
②宅建士がやめたら営業を続けられなくなる
専任の宅地建物取引士が一人しかいない場合に、急にその宅地建物取引士が何らかの理由で会社を辞めることになれば、宅建業の免許の要件を満たすことができなくなりますので宅建業者としての営業を継続することができなくなります。
この場合、宅建業者は2週間以内に新しい専任の宅地建物取引士を補充することができれば問題なく営業を継続することができますが、わずか2週間で新しい専任の宅地建物取引士を補充するのは容易なことではありません。
宅建資格を持っている人は割とたくさんいますが、既に宅建士証の交付を受けていて(要するに単なる宅建士試験合格者ではなく、すぐに業務を取り扱える宅建士であるということ)しかも2週間以内に勤務できる状態にある人ということになると、かなり少数になってしまうからです。
以上のようなことを踏まえてご自身が宅地建物取引士資格を持っていない方が専任の宅地建物取引士を雇用して宅建業の免許を受けている場合、その宅地建物取引士が急にやめてしまったりすることがないよう、普段から良好な関係を維持する努力をしておく必要があります。
どちらのデメリットも結構、大きいよね。やっぱり不動産業をやるなら、自分で宅建をとってからの方が無難な気がする。
宅建士資格を取得する方法
ここまでお伝えしてきた通り不動産業を宅建資格なしで開業することは専任の宅地建物取引士を雇用しさえすれば可能なわけですが、とりあえずは専任の宅地建物取引士を雇用することによって開業したとしても、やはりなるべく早くご自身でも宅建士資格を取得しておかれるべきです。
上で紹介したようなデメリットがあるのはもちろんのこと、仮にも不動産業者の代表たる者が宅建資格さえもっていないというのは、やはり、あまりのかっこのいい話ではないからです。
お客さんからすれば不動産業者としての信頼度に不安を感じるようなこともあるかもしれません。
そこで、ここでは宅建士資格を短期間でサクッと取得するための勉強法のポイントを特に重要度の高い3つのものに絞って簡単にお伝えしておきたいと思います。
ちなみに私はかつて宅建士講座の講師をしていたことがあり、担当講座で指導合格率80%超という実績を上げたこともあります。
その意味では効果実証済みの方法論ということになると思いますので是非とも参考になさって下さい。
①テキストはなるべく情報量の少ないものを選ぶ
宅建試験の学習に使うテキストはなるべく情報量の少ないものを選ぶようにして下さい。
分厚い情報量の多いテキストは試験に出る可能性の低い情報の量が多くなるため、学習の効率が下がることになるからです。
また宅建試験において得点することにつながるのは多くのあやふやな知識ではありません。
少なくとも構わないので「確かな知識」です。
この点を踏まえて「確かな知識」を身に着けるべく、なるべく情報量の少ないテキストを選び、そのテキストに書かれていることは全て覚えるぐらいのつもりで「濃い」学習を行って下さい。
なお、テキスト学習の回数の目安は3回~5回程度です。
学習したことを完全に忘れてしまう前に復習するようなイメージでなるべく高速回転で学習することを心掛けて下さい。
②過去問中心の勉強を行う
テキスト学習を一通り終えたら、過去問学習に入ります。
近年、宅建試験は非常に難化していると言われますが、それでも過去問を完全にマスターすれば十分、合格できる試験であることに変わりはありません。
ですので過去問の完全マスター≒宅建試験の合格と捉え、そこを最終ゴールとして学習を進めて下さい。
宅建試験の過去問学習は学習効率をより高めるべく次の3つのステップを順番に踏んで進められることをおすすめします。
ステップ1:過去問を読む
過去問を「選択肢1→選択肢1の解説→選択肢2→選択肢2の解説→選択肢3・・・」といった一問一答式の要領で、読み進めます。
要するに過去問をまずは知識をインプットするための教材として利用するということです。
過去問を読む学習の回数の目安は3回程度です。
ステップ2:過去問を解く
過去問をステップ1同様、一問一答式の要領で何度も解きます。
ここで重要なのは決して解きっぱなしにしないことです。
特に間違った選択肢の解説については、それこそ覚えるぐらいのつもりで、しっかりと読みこんで下さい。
過去問を解く学習の回数の目安も3回程度です。
ただし、9月末頃まで時間があるのであれば、何度も繰り返し行うようにして下さい。
その分、より確実に知識の定着を図ることができるはずです。
なお、正解率が5割を切る場合には、再度、過去問を読む学習に戻られることをおすすめします。
その方が結局、早く過去問を完全にマスターすることができるからです。
ステップ3:過去問を消す
10月の初旬ごろから、過去問を解く学習を行いながら、本試験まで復習しなくても絶対に忘れない自信のある選択肢をどんどん消していきます。
最終的には全ての選択肢を消すことを目指して下さい。
で、どうしても消し切ることができなかった選択肢を試験の前日から当日にかけて丸暗記してしまいます。
これで過去問を完全にマスターすることができたはずです。
ここまでできれば、宅建試験合格はすでに約束されたようなものです。
③耳を使った学習を取り入れる
学習の効率を高めるために是非とも取り入れて頂きたいのが耳を使った学習です。
要するに宅建のテキストや過去問を自分で録音し、それをスマートフォンなどを使って聞くということです。
耳を使った学習を取り入れると車を運転している時間や家事をしている時間なども全て学習時間として活用することができるようになります。
特に仕事などで忙しい方にとっては学習時間を大きく増やすことができる非常に手軽な方法だと思いますので是非とも取り入れるようにして下さい。
なお、さらに学習効率を高めたいという方には録音した音声を2倍速、3倍速などの高速で再生することができるスマホアプリを利用されることをおすすめします。
以上が宅建士資格を短期間でサクッと取得するための勉強法のポイントになります。
これまであまり熱心に勉強に取り組んだ経験のない方については我流で勉強されるより、きっと近道になるはずですので是非とも取り入れてみて下さい。
宅建士資格取得のための勉強法についてさらに詳しく知りたいという方は、以下の記事をご覧になって下さい。かなり長い記事なので読むのも大変かもしれませんが、たぶん、読んで良かったと感じてもらえることと思います。
まとめ
- 不動産業を宅建資格なしで開業することは可能である。
不動産業の免許を受けるための要件である専任の宅地建物取引士の設置義務は宅地建物取引士の資格を有する者を雇用することによってみ満たすことができるからである。 - 不動産業を宅建資格なしで開業することによるデメリットは以下の2つである。
①開業当初から人件費がかかる
②宅建士がやめたら営業を続けられなくなる - 宅建士資格を短期間でサクッと取得するための勉強法のポイントは以下の3つである。
①テキストはなるべく情報量の少ないものを選ぶ
②過去問中心の勉強を行う
③耳を使った学習を取り入れる
なお、時々、宅建資格を持っていないどころか、免許を受けることさえせずに不動産業に該当する行為を行っている方がいますが、当然、完全な違法行為ですので決してマネされませんように。
宅建業に関して不正または著しく不当な行為をした者に該当することになり、行為の時から5年間は不動産業の免許を受けたり、宅建士としての登録を受けたりすることができなくなる可能性があります。
以上、今回は「不動産業を宅建資格なしで開業することは可能か?」というテーマでお送り致しました。