不動産屋として独立することを検討しているものの、そもそも自分が独立に向いているのか、向いていないのかが、わからず、なかなか決断できないという方、結構、多くいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、そういう方の決断の一助としてもらうべく、判断材料の一つとして不動産屋としての独立に向いている人、向いていない人、それぞれの特性を簡潔に紹介したいと思います。

独立の向き、不向きだけでなく、独立した際の成功の度合いを予測する物差しにもなると思いますので、独立することを検討されている方は是非とも参考にして下さい。

不動産屋での独立に向いている人の特性

不動産屋として独立することに向いている人の主な特性としては次の9つのものを挙げることができます。

①人脈が豊富である

不動産屋として独立後、事業を継続する上で最も大きな重要になるのが集客です。

集客ができなければ、売上がたつことはなく、売上がたたなければ、事業を継続することはできないからです。

そのため、人脈が豊富で、人脈を通じてお客さんを獲得したり、お客さんを紹介してもらえる人は非常に有利になります。

実際、私が知る範囲でも人脈が豊富であるという強みだけで事業を成立させている不動産屋さんが数多く存在しています。

広告を打つなどの一般的な集客活動を一切やっていないにもかかわらずです。

人脈の豊富さに自信のある方は、その圧倒的な優位性を活かして是非、不動産屋のビジネスにチャレンジして下さい。

まっちゃん先生左

不動産屋さんのビジネスにおいては高額なものを取り扱うだけに人としての「信頼」があることが重要な意味を持ちます。だからこそ、もともと知っている人やつながりのある人のように既にある程度の信頼関係がある人をお客さんとして取り込むことができる人脈が豊富な人が非常に有利になるのです。

②聞き上手である

営業の場面で重要になるのは話す力より、聞く力です。

お客さんの話に真剣に耳を傾けることができれば、お客さんの要望を適切に把握することができ、要望にマッチした提案を行うことが可能になるからです。

そして要望にマッチした提案を行うことができれば、成約できる確率が高くなるため、自ずと売上を積み上げていくことができます。

話し上手がダメなわけではありませんが、自分がしたい話をしているようではお客さんの要望を把握することはできません。

営業の場面では上手に話すこと以上に上手に聞くことが重要なのです。

聞き上手であることは不動産屋としての成功を目指す上で非常に価値のある特性であると断言できます。

まっちゃん先生左

第三者からの価値ある助言をしっかりと受け入れることができるという意味においても人の話に耳を傾けることができるというのは非常に重要な特性と言えます。

③お客さんを大事にできる

今はインターネット上で簡単に不動産屋さんの利用者の口コミ情報が拡散される時代です。

お客さんを大事にできると良い口コミが拡散され、その口コミが新しいお客さんを連れてきてくれます。

それ以外にも、もっと直接的な効果として、あなたのサービスに大いに満足した以前のお客さんが新しいお客さんを紹介してくれることもあるでしょう。

だから、きれいごとでなく、きわめて実利的な意味でお客さんを大事にできるということが大きな強みとなりえるのです。

まっちゃん先生左

残念ながら不動産の業界は自分の利益のためにお客さんの利益を平気で犠牲にするような人が多いです。だからこそ、お客さんを大事にできるという、ごく当たり前のことが大きな価値を持ちます。目先の利益にとらわれずお客様第一主義を貫いて参りましょう。

④行動力がある

どれほどすぐれたアイデアがあっても、それを実践できる行動力がなければ、成功することはできません。

逆に、すぐれたアイデアなどなくても、うまくいく可能性があると感じたことを次に次に試すことができる行動力があれば、成功するのは時間の問題です。

その意味で、行動力があるというのは不動産屋としての成功を掴む上で必ず備えるべき特性と言えると思います。

なお、「行動力がある」というのはあくまでアイデアについてよく考えた上で良さそうと思えたら、「すぐに行動に移せる」という意味です。

何も考えずに無謀に行動しまくるということではありませんので、その点、誤解されませんように。

まっちゃん先生左

「良さそう」と思えたら行動に移しましょう。「良い」と確信できるのを待っていたら行動速度が落ちて成功できるまで時間がかかりすぎてしまいます。

⑤正しくお金を使うことができる

ビジネスで素早く成功するためには有用性が高いと判断したことに躊躇なくお金を使うことができる決断力が必要です。

ビジネスというのは、そもそもお金を使うことによって、使ったお金以上の大きなリターンを得ることを目的に行われる営みであり、お金を使わない限り、大きく売上を伸ばすことはできないからです。

次の2つ選択肢について考えてみて下さい。

A.1円も使わない代わりに1円のリターンも得られない。

B.予測成功率80%(失敗率20%)の集客アイデアに100万円使った結果、300万円のリターンを得られた。

経営者としてどちらを選択するのが正しい判断であるかは論じるまでもありませんよね。

もちろん、上記、Bの選択肢の中でも示しているとおり、失敗してお金を失うリスクは常について回ります。

しかし、そのリスクを許容し致命傷にならないレベルにコントロールできる人でなければ、そもそも独立などすべきではないのです。

逆に損するかもしれないというリスクを許容しつつ、得する可能性に焦点をあてて積極的にお金を使える方は不動産屋としての独立にきわめて向いている人と言えます。

そういう方は自信を持って独立に踏み切って下さい。

まっちゃん先生左

お金を使うことに対して抵抗感の強い人は、不動産屋に限らず、どんなビジネスをやっても成功することが難しいと思います。独立することが全てではありません。ご自身にとって独立することが正解なのか、あらためて考えてみて下さい。

⑥他人の力をうまく使える

独立する人は、当然、独立心が強い人が多く、なんでも自分でやろうとする傾向がありますが、それでは、なかなかビジネスが前に進みません。

どれほど能力の高い人であっても、自分一人でできることには当然、限界があるからです。

独立して大きな成果が出せるかどうかは、その人、個人の能力以上に、どれほど多くの人がその人に協力してくれるかにかかっています。

つまり、不動産屋として成功したければ他人の力をうまく使える人でなければならないということです。

もちろん、他人の力を使わせてもらうためにはお金がかかります。

  • ホームページを作ってもらう
  • 税理士さんに会計処理をやってもらう
  • パートさんに雑務処理をやってもらう

何をしてもらうにしてもお金はかかるものです。

でも、そのお金を使って、自分の時間を節約できたり、より大きな成果を出せるのなら、そのお金はちっとも惜しいものではないはずです。

というか自分の労力だって、ただではないのですよ。

集客活動等、経営者が本来、最優先で取り組むべき仕事に向けていればお金を生んでくれているであろう労力を使ってホームページを作ったり、会計処理をやったり、雑務処理をやったりしているわけですから。

自覚がないだけでお金を使っているのと同じことです。

他人の力を使わせてもらうのにお金を使ったとしても損するどころか、かえって得をしている可能性だってあると思います。。

そう考えられない人はそもそも自分でビジネスをやるのに向いていません。

独立してもたぶん、うまくいかないと思いますので、無理して独立の道を選択されないことをおすすめします。

まっちゃん先生左

ついなんでも、かんでも自分でやりたくなってしまう人は一般論として従業員が100人いる会社と従業員0人の会社のどちらの会社の社長の方が収入が大きいか考えてみて下さい。当然、従業員が100人いる会社の社長の方ですよね。これが他人の力をうまく使えることの価値です。儲かっているから他人の力を使えるようになっているのではありません。他人の力をうまく使えるから儲かっているのです。非常に重要なポイントですので、肝に銘じて下さいね。

⑦自己管理ができる

独立するとサラリーマンの頃のように上司からの指示や、勤務時間の縛りがあるわけでもなく、何もかもが自由です。

特に不動産屋さんの場合、飲食店の仕込みや小売店の商品陳列のようなお客さんを迎え入れるための下準備のようなものもありませんので、本当に何もしないで一日を過ごすこともできてしまいます。

しかし、だからこそ、独立し成功するためには自分を強く律し、常にビジネスに前向きに取り組めるだけの自己管理能力が必須となります。

ついつい楽な方向に流れてしまう傾向があることを自覚している人は、この点をしっかりと認識した上で、独立の是非を検討して下さい。

なお、ときどき、勤務時間がいい加減になっていることのいい訳として「やることがない」などということを口にする経営者の方にお会いすることがありますが、サラリーマン感覚が全く抜けていないと断ぜざるを得ません。

ビジネスを存続させるために「やるべきことを探す」ことも経営者の重要な仕事です。

そして、この重要な仕事をちゃんとやれば、やるほど、「時間がいくらあっても足りない」と感じるほど忙しくなるはずです。

「やることがない」状況を決して甘受されませんように。

まっちゃん先生左

むしろサラリーマン時代以上に時間管理を徹底する方がいいでしょう。
仕事の開始時間、終了時間を明確に定めて、できるかぎり、それを守るようにすべきです。

⑧勉強し続けることができる

独立するということは、たとえ自分一人で従業員がいない状態であっても経営者になるということです。

そして経営者ともなれば、一従業員であった時と比べて必要とされる知識の範囲は急激に広くなります

特にマーケティングに関する知識は日々、更新されていきますので、それにキャッチアップするべく、勉強し続けることが求められます。

たとえば

  • 一日15分でもいいのでビジネス関連の話題書を読む
  • テレビを見ている時間の半分を社会・経済関連のニュースの視聴にあてる

などということをやれる人だけがビジネスを続けていけるのです。

勉強したくないという人は不動産屋に限らず独立すること自体あきらめた方がいいです。

まっちゃん先生左

仕事の一部みたいなものなので、あえて言う必要はないかもしれませんが不動産関連の法改正についても当然、常にキャッチアップしておく必要があります。お客さんの方が法改正について詳しいなどというみっともないことにならないよう十分、注意して下さい。

⑨ストレスに強い

不動産屋の仕事は扱うものが高額なだけに大きなクレームが発生しやすく、ストレスも非常に大きいものになりがちです。

さらに経営者ともなれば、全てのクレームに対して最終的な責任を負わなければならなくなりますので、そのストレスの大きさは半端なものではありません。

実際、私が知る範囲でも

  • ストレスが大きすぎて人柄や人相までもが変わってしまったり
  • 鬱になって精神科の病院に通院していたり

という経営者の方が片手では数えきれないくらい、いらっしゃいます。

したがって不動産屋として独立する人は、その大きなストレスに耐えうる人でなければなりません

ちなみにストレスに強い人のタイプとしては

  • 物事を正面から受け止めることができる精神的なタフさがあるタイプの方と
  • クレームなどがあっても、そもそもストレスを感じない鈍感力のあるタイプの方

がいらっしゃいますが、より不動産屋に向いているのは後者のタイプの方であると考えます。

前者のタイプの方は、どこかで急に心がポキッと折れてしまうことがありますので、ある意味、ストレスに弱い方以上に注意が必要です。

まっちゃん先生左

不動産屋をやっていると理不尽なクレームを受けることもありますが、それにも粘り強く対処できる心の強さ・しなやかさが必要となります。

独立に向いていない人

不動産屋として独立に向いていない人の特性は、独立に向いている人の特性をそのまま、反対にひっくり返したものということになります。

すなわち

  • 人脈がない
  • 人の話に耳を傾けることができない
  • お客さんを大事にできない
  • 行動力がない
  • 正しくお金を使うことができない
  • 他人の力をうまく使うことができない
  • 自己管理ができない
  • 勉強しない
  • ストレスに弱い

といったことですね。

そして加えて言うならば、これらの特性が自分にあることを知りしながら、それを改善しようとしない人ということになります。

上記に挙げた特性というのは、その大半が心がけ次第である程度、改善することができるものですよね。

一番、改善が難しそうなストレスに弱いという特性でさえ、様々なストレスを軽減するノウハウを試してみれば、ある程度はコントロールできるようになると思います。

にもかかわらず、改善のための努力ができないというのなら、それは致命的な特性であり、やはり、不動産屋としての独立はあきらめるしかないということになるでしょう。

逆にあなたが改善のための努力を惜しみなくできる人なら、現時点で独立に向いていない人と判断される特性を多く持っていたとしても、独立をあきらめることはありません

是非とも改善を続けて、ご自身を不動産屋での独立に向いている人へと近づけていって下さい。

まとめ

1.不動産屋として独立することに向いている人の特性は以下の9つ。

人脈が豊富である
②人の話に耳を傾けることができる
③お客さんを大事にできる
行動力がある
⑤正しくお金を使うことができる
他人の力をうまく使える
⑦自己管理ができる
⑧勉強し続けることができる
⑨ストレスに強い

2.独立に向いていない人の特性は独立に向いている人の特性を反対にひっくり返したもの。
ただし、そのような特性を持っている人であっても、その特性を改善するための努力ができる人であれば不動産屋として独立することをあきらめる必要はない

ちなみに私自身に関して言えば、もともとはあまり不動産屋での独立に向いている人ではなかったと思います。

いや、むしろハッキリと向いていない人だったと言えるでしょう。

独立時点ではせいぜい、上記の特性のうち

②人の話に耳を傾けることができる
③お客さんを大事にできる

ぐらいしか満たせていませんでしたので。

しかし独立後、一経営者として様々なことを経験する中で

④行動力がある
⑤正しくお金を使うことができる
⑥他人の力をうまく使える
⑧勉強し続けることができる

あたりの特性条件は概ね満たすことができるようになったのではないかと思っています。

まあ、こんな程度の私でも20年近くもビジネスを続けていられるわけですから、今回、この記事を読んで「自分は不動産屋に向いていないかも」と感じた方も、あまりガッカリしないで下さい。

明確かつ強い意志さえあれば人は変われるものですので。

以上、今回は「【要確認】不動産屋での独立に向いている人、向いていない人」というテーマでお送り致しました。